『買われた男』
漫画 三並央実
原作 芹沢由紀子
(放送:テレビ大阪・BSテレ東)
【地上波初】”女性用風俗”がテーマのそれぞれのセクシーな世界観が詰まったドラマ「買われた男」の放送がスタートしました。
物語の舞台は”女風”でお馴染みの女性専用風俗店『KIRAMEKI』。
訳アリ女性たちの心の声に耳を傾け、素肌触れ合わせながら優しくマッサージした後、
まるで恋人のようなドキドキな時間も・・・
体だけでなく心までも包み込んでくれる
リラックスヒーリングドラマとなっています。
さて気になる内容を見ながら、
実際に過去、女性用風俗店でセラピストとして従事し
現在経営をしている私が、個人的な感想を述べさせていただきます。
(ここからは私の本音でご説明・解析させていただきますので、なるだけ言葉口調はオーガニックなまま出荷させていただきます故、多少乱れる場合がございますこと予めご了承くださいませ。出来るだけ頑張ります。)
第1話:-セックスレスに悩む既婚女性が女性向け風俗店に!!-
女風未経験の”はにわ子”様(ご予約時のハンドルネーム)は、既婚のお客様で夫婦仲そのものは概ね良好ではあるが3年間セックスレスで、
過去に夫の浮気の経験もあり、
それらが相まってどこか晴れ切らない
モヤモヤが渦巻いており絶妙に悩んでいた。
そんなある日、
女性専用風俗店「KIRAMEKI」のHPを見つけ、
浮気した夫と平等になりたいのか、
性欲のためなのか自身でもよくわからずのまま、
遂に予約確定ボタンを。
事実、当店をご利用されるお客様の中には
既婚者の方も当然多くいらっしゃいます。
これは私の経験ベースの話になりますが、
既婚の女性にとってこの女性用風俗は、
夫婦間の性スキンシップにおける悩みだけでなく、
夫婦関係存続に関わるあらゆる悩み改善の
きっかけとなったケースが本当に多く、
そういった意味で既婚のお客様にとっては
”相性超抜群の最強ツール”
なのかもしれないなとつくづく実感させられます。
それは衛生面的観点や
事件性の有無におけるリスク面は勿論のこと、
法律的観点からでも相性が良いと考えています。
事件性については、
大なり小なり0とは言い切れませんが
(ずさんな教育&人事の悪質店による強姦事件も
過去の事例としてあったそう)、
限りなく発生率は低くなりますし、
仮に何がしかの事件・事故が
起こってしまった場合であっても
しっかりと責任の所在が明確なので、
街中ナンパやマッチングアプリなどの火遊びに
つきまとうリスクを考えればよほど合理的です。
(無論、女性用風俗店の利用は不倫に当たりません)
さて話を戻しましょう、
次のシーンで店舗内(おそらく事務所か待機所)の描写が描かれており、
そこで他のセラピストたちが居る空間で運営陣が、
はにわ子様が指名したセラピストに対し
合流時間や待ち合わせ場所などの詳細を伝える中で
「既婚者のお客様」と伝える。
この”今から接客するお客様は既婚者です”は、
場合によっては重要な情報にもなり得ますが
特段お客様から予めセラピストへ伝えるよう
依頼されているでもない限り、こちらから予め
伝える必要のある情報ではないと思いますし、
(知られたくないお客様もいらっしゃるので)
少なくとも他のセラピスト達が居る場で
わざわざあんな大きな声で伝達はしません。
(割と没入して観てしまうタイプなので思わず
「こら。」と声が漏れ出てしまいました。)
さて次の場面、いよいよ接客がスタートしホテルへ入室するシーン。
お客様が緊張のあまり、
自身ですらもどうでもいいと思っていそうな話題を
早口で長々話し続けようとする描写は
本当にあるあるすぎて笑ってしまいました。
純粋に人が照れてる姿は可愛いものです。笑
次いで部屋内でのエスコート〜カウンセリング
(カルテ記入の様なもの)に移るのですが、
セラピストのヤマトさんがまぁぎこちないわ
ソワソワしてるわ戸惑い隠せてないわで思わず
「再研修!!」と溢しそうでなりませんでした。
ところがこれも難しい点で、人によっては
「プロのセラピセラピしている人よりこっちの方が好き!」というお客様も中にはいらっしゃいます。
スマートで無駄なく効率的に動きすぎるのもダメで、
おどおど素人感残りすぎていてもダメ。
本当に難しい職業だと思います。
まぁバランスよくと言ってしまえばそれまでですが、
詰まるところどちらも絶対不正解とはいえず、
お客様が求めているものを察し見極めた上で可能な範囲で調整しつつ、それでリピートが返って来なければもう仕方ないものと考えるしかありません。
(※仕事の品質の話ではなくあくまで見せ方や接客スタンスについて述べています)
普段の接客ではカッチリスタイルのセラピストが無理に崩しすぎて、それが仇となりおかしな見え方になってしまい総じてパフォーマンスが下がってしまうなんて事もよくあるパターンなので、無理に演じたり自分を偽る必要はなく、ベースの自分はそのままでアジャストできる範囲で合わせてあげるくらいがベストだと私は考えています。
さあ施術が進んでいき、いよいよマッサージから性感へ移行するか・・・?というシーン。
ここです、私が最も気に入らなかった場面が…
ヤマト『性感マッサージは要りますか?』
・・・・
無い。ほんっっとに信じられない。
まじでお茶こぼした。
そんな質問されても女性はどう返事すればいいかめちゃくちゃ困るし聞くにしても聞き方配慮なさすぎるしというか恥ずかしい極まれりだし、
絶対とは言えないが少なくとも初回利用でホテル利用でのお客様でしょ?マッサージのみ性感無しの需要なら恐らく大抵の人はこんな大金払わず他のお店に行ってるし、てか何の為にカウンセリングしたんよ十分情報散りばめられてたし、そもそも今日ここに来るまでも相当勇気振り絞って来た背景とかも考えるともう・・・
あ゛ぁーーー!!(悲)
という感じです。
繊細なのよ極めてこの場合は。
控えめに言ってあんたが思ってる20倍繊細なのよ。
わかってあげてヤマトくん。
(いつでも研修するから言って。)
とは言ったものの、実はこれも非常に難しいところで、
かくいう私も経験が浅かったプレイヤー新人時代、
接客経験を積んでいく中で
「このお客様、性感要らないのかな…?」
なんて思ってしまうシチュエーションも少なくありませんでした。
それはカウンセリングで、
「今回女性用風俗をご利用いただいた理由は何ですか?」というこちらの問いかけに対し、
「いや、友達と最近話題になっただけで〜」
「Hなことはいいから女風ってどんなものか気になって〜」
「別に性的な悩みとかはなくて〜」
などといった、
一見消極的にも聞こえるような回答が返ってくる事も多く、
施術に入りアロママッサージを進めていく中で
「ん、寝てる!?」と思ってしまうほどリラックスした表情をみると、
「このままマッサージ続けてあげる方がこの人にとってはいいのかな…?」
と考えてしまう事は当時本当によくありました。
ですが、このパターンでいえば
実際に性感を始めたものの本当に寝ていた
なんて事は一度もありませんでしたし、
体に触れて驚かれるような事も
一度もありませんでした。
僭越ながらこのケースでのリピート率も
悪く無かったことを鑑みると、
女風をご利用いただく女性のお客様にとっては、
居た堪れなさや照れ隠しの一環から、
カウンセリングでは
”一旦消極さは出しておきたい”
という傾向は女心として多少なりともあるのかなと、
後に考え行き着きました。
如何に自然に雰囲気や流れを作れるか?
如何にスマートに相手のエロスイッチを押せるか?
という所においても、
プロのセラピストとしての技量が問われている
ところだという事も彼らリアルセラピスト達は
よく理解しているはずですし、
少なくとも当店はそういった細かい所を
しつこく教育しておりますので、
円滑にエスコートしてくれるでしょう。
少し逸れますが、これ系の漫画や映画とくれば
決まって”訳アリ女性たち”の描写が特に多く、
実際に何かしらの悩みや
特別な背景を持たれて利用される
お客様も多いですが、
意外にも、
”性に関して特に悩んでいるわけではない”
というお客様の利用も少なくはなく、
良い意味で軽率に呼んでいただける
お客様も多くいらっしゃいます。
ついでに言うと、
「パートナーに満足はしているが女風は女風で利用する」これも割とあるあるです。
(人によっては旦那・恋人・セフレそれぞれ埋められる点が違うというタイプの人も多かれ少なかれいらっしゃるので)
さあいよいよ性感マッサージへ。
このあたりからは割とリアルで
地上波ドラマにしては
細かく表現されている方だなと感じました。
性感マッサージを進めていく最中、
複雑な感情が入り乱れてか
涙を流すはにわ子さんこと、のどかさん。
(以下のどかさん)
実は、リアルの現場でもこういったケースは決して少なくはないのです。
その涙の理由も様々で、
シンプルに「あまりに気持ち良くて…」や、
「初めての気持ち良さで…」といった
快楽から溢れ出る涙もあれば
「愛されてる気がして…」や、
「尽くしてくれる感じが…」
など愛を感じての涙であったり、
はたまた
「長年女性としての感覚を忘れていた…」
など女心蘇ってあらゆる感情が入り混じり
爆発するなんてパターンも。
ベッドシーンでの細かい内容は、なかなかここで文字に起こして表現するのは難しいので端折ります。
(作中の尺もそこまで長くはなかったです)
気になる方はTver見逃し配信にてお楽しみいただければと思います。
施術が終わり、互いにシャワーを浴びた後だろうか、
様々な感情が溢れて涙ながらに
のどかさんがヤマト君に相談するシーン。
このシーンのヤマト君は良かった!
いや本当に良かったよ!
私はあの立場を弁えつつも最大限寄り添う姿勢で、
セラピストとしてではなく一人の人間として
真に向き合った結果、自然と出てきた
心からの言葉をそのままかけてあげれた
心穏やかなヤマト君が大好きになりました。
(私案外単純かもしれない)
この女性用風俗のセラピストというお仕事で
うまく生き残っていく人というのは、
人生経験が豊富で、人の様々な気持ちや
感情を理解してあげられるような、
人間として奥行きを感じられる
魅力ある人が多いのかなという印象です。
なんならイケイケフレッシュな20代前半の
イケメン学生さんよりも、
一通り経験してお金も一度手にして
一通り傷つけ傷つけられ
バツ1つくらい付いてる
おっさんに片足浸かりはじめた30代の方が
セラピスト(心身を癒す者)としては
適任なのかなと感じる事もあります。
ビジュアルも勿論大切な要素にはなりますが、
あくまで一つの武器、
一つの窓口に過ぎないと私は考えています。
だって、冷静に考えてみてください。
金銭の発生しないプライベートの世界線ですら
”恋人でも夫婦でもない男女の関係”を
長く良好に維持させ続ける事って
ただでさえ簡単な事ではないと思うんです。
それを、言わば彼らは厳格にお金を
頂き続けながら関係を保ち続けていく、
あるいは、多くの人たちから
その関係値において求められる存在
である必要があるのです。
(必要とされ続けている限り成り立つものでありこちらから無理に維持させていくものではないというのが個人的意見ではあるが今それはいいの)
つまりその辺にいるイケメン風では到底務まらんのです。
そして最後のシーンでは、
のどかさんと旦那さんが手を繋ぎながら
仲睦まじく会話をし、
夫婦仲が少し快方へ向かい始めた様な
そんな描写がありました。
心なしか、のどかさんの表情も一段と明るく、
どこか魅力が増したようにも見えました。
これもリアル女風界ではあるあるで、
女性は女風を利用すると髪ツヤ肌ツヤが増したり、
表情がはっきり明るくなったりと、
QOLまでもが爆上がりするという
副産物がもたらされる事があります。
決して安くはない額のお金がかかる事ですので、
勿論皆様それぞれの懐事情にもよりますし
何を求めて利用するのかにもよりますが、
やはり考え方によっては
コスパは決して悪い”買い物”ではないのかなと
個人的には感じています。
数年前、有名人気俳優さんが主演を務めて
大きな話題となった
女風?をテーマにしたあの映画は、
全くリアルではなく寧ろ描写が良い加減すぎて
風評被害極まりない超迷惑な駄作だった事と、
『買われた男』という極端なネーミングから
今回も少し心配だったのですが、
今作はそこそこリアルで見応えがありました。
と同時に、本当に女性用風俗って
この令和のストレス社会には
必要不可欠な業界だなと改めて感じましたし、
世の女性たちに女性用風俗を
もっと知ってほしいなと強く思いました。
あと、このドラマを通じて
女性用風俗で働いてみたいと思った男性方。
このHPから求人も募集していますので、
ぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。
お客様ととことん向き合って
お客様の喜びを肌でダイレクトに感じれて、
それでいて自分自身も男としても
人間としても成長でき、
とてもやり甲斐あって楽しい仕事ですよ。
思ってる50倍難しいと思うけど。笑
さて今回は、4月17日(水)放送分の「買われた男」第1話について、勝手な個人的感想を書き綴らせていただきました。想像していたよりもずっとリアルで細かい描写が多くとても楽しく見ることができました。
見逃してしまったという方は、TVerで無料配信されているのでぜひこちらからご覧くださいませ。
(私も見逃し配信で観た人です)
次回「第2話:女性用風俗にスキャンダル女優が!!傷ついた心をいやす極上のマッサージ」
第2話も勝手ながら個人的な感想を書かせていただく予定です。
DMM TVなら先取りして第2話を配信しているそうなので気になる方はぜひ!
では、また次回!おやすみなさい。